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バースディ。



あれから何年経っても忘れない。
今日は、初めて好きになったひとの誕生日。
何をしてあげれたわけでもないけれど、毎年この日になると思い出す。
15歳だった笑顔。
彼のことを何でも知りたくって、どきどきしながら誕生日を訊いたこと、まるで昨日のことのように思い出せる。
くだらないことならいっぱいお話できたのに、彼自身のことを訊くときにはものすごく緊張していた。
おもしろい隣の席の子
くらいには思ってもらえてたはずだから、何を訊いてもおかしくないはずだったけど。
今の自分ならもっと器用になんでも訊ける。
あのころは、まだまだ全然不器用だったから。
どきどきしながら必死で、くだらないことに混ぜ込んで訊いてみた。
誕生日、血液型、身長や家族構成、好きなうた、好きなクルマ。
好きな女の子のことはどうしても訊けなかったけど。

例えば今、偶然道端ですれ違ったとして。
昔の面影を感じ取ることができるのかどうかさえわからない。
それでも、覚えている、誕生日。
毎年必ず、心の中で思う、ハッピーバースディ。
君はどんなふうにおとなになったの?
だけど、きっといくつになったとしても、あたしのなかの彼は15歳で、いたずらっぽく笑って、まだ少しだけコドモが混じった声であたしに呼びかけるんだ。

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卒業式の思い出



中学生のとき。
中2の1月に転入したガッコだったし、そんなに思い入れはない、はず、だった。
仲良しの子とは、高校は別々だったけど、家は近いからいつだって遊べるし、
そもそもって話をしてしまえば、転校前のガッコの方が好きだったし。
さっさと卒業したいなぁ、なんて思っていた。
15歳の冬。

中学3年の1月。3学期。
もうすぐ受験で、クラス中がざわざわしてるとき。
席かえがあった。一番後ろの席。ラッキー。
隣の席になったのは、今までほとんど話したことのない、背の高い男の子だった。
フツーによろしくね~とか挨拶して、
フツーのクラスメイトと同じように
フツーに授業中のコソコソお喋りなんかをしていたのだけど。
その1時間目が終わる頃には、
あたしは、
昨日までのあたしじゃなくなっていた。
原因とか、きっかけとか、そんなのわからない。
だけど、その1時間目、確かに笑っていたはずなのだけど、
あたしは胸が苦しくて、
何もないのに泣きそうで、
1時間目が終わった瞬間立ち上がって、がーっと廊下を走って、
何が起こったのかびっくりして追いかけてきた友達の肩を借りて、
いきなりわぁわぁ泣いた。
意味不明。
ホントに意味不明。
あたしはいったいどうしちゃったんだろう。

次の日。
髪の毛がはねている。
今までなら、ユーウツだなぁとか思いながらも、気にしないで出かけてた。
だけど、どうしても出かけたくなかった。
もう1回、シャワーに入って、きれいにブロウし直した。
おかげで少し、遅刻した。
あたしはいったい、何なんだ?
わけわかんねー。

フツーに、フツーに笑って話せているの。
授業中、こそこそお喋り。
休み時間もけらけら笑い合った。
面と向かっているときは。
なのに、彼のそばにいないと。
遠くから彼を見ていると。
震えてしまうの。
泣きそうになるの。
何なんだよ、コレ。
何なんだよ、アタシ。

ってゆーか。
わかってた。
ホントは、最初の日の1時間目のときにわかってた。
それまでともだちと話してた、「誰々くんが好き」。
そんなのと、次元が違う。
あたしは、恋をした。

今でも覚えてる。
天然パーマだった。
犬より猫が好きだった。
シャーペン1本派だった。
彼が気付いてくれた、
あなたとあたしの共通点。

いっぱいいっぱい思い出ができていくはずだった。
だけど、気付くのが遅すぎた。
あたしには、時間がなかった。
卒業したら何もかもが終わってしまう。
卒業したくない、と、全身全霊で思った。
だけど、彼が「早く卒業したいねー」って笑って言ったとき、
「そうだよねー」ってあたしも笑った。
いつもなら眠たい国語の授業。
あたしは、居眠りなんかできなくなっちゃったんだよ。
だからといって、授業が聞こえてくるわけじゃあない。
ただただ、右側に神経を張り詰めて。
もしも何か話しかけてきたら、とびきりの笑顔で笑うから。
もしも退屈そうにしてたら、楽しい話をしてあげるから。
だから、早く卒業したいなんて思わないで。
そんなこと、絶対、口が裂けたって言えないけど。

だけど、時は流れて、3月。
席も遠くに離れて、受験とかいろいろあって、
彼とはあんまり話すことがなくなって、
それでも時々話しかけてくれるのがうれしかった。
ホントにくだらないことばかりしか話さなかったけど、
笑ってふざけあう時間が、何よりもうれしかった。

そして、卒業式。
絶対泣かないって思ってた。
実際、卒業式のときは、泣かなかった…まぁいろいろあって、笑っていた…だけど、教室に戻って、友達とお喋りしてて、その目の端っこに彼が映った瞬間。
ぼろぼろと涙が出てきた。
泣くとか、そんな感じじゃなくって、
防波堤が決壊しちゃったみたいに
ただただぼろぼろと次から次へと涙がこぼれ落ちて、
あたしは机にうつっぷした。
友達が、だいじょぶ?って次々に声をかけてきて、
背中さすってくれて、
あたしは返事をしたかったけど顔を上げれなくて。
そのときに。
よく知ってる足音が近づいてきた。
伏せた目に映る、見慣れたボロボロのスニーカー。
「式のときは笑わせてたのに、今は泣いてるのか?」
頭をぽんと叩くその手の大きさ。
顔を上げて答えようとしたときには、
彼は窓の外から彼を呼ぶ後輩の女の子の声に応えて、笑って手を振っていた。

最後の最後、校門近くで、
みんなでお喋りをしていた。
彼とは時々、目が合ったけれど、特別話はしなかった。
ともだちが、「告っちゃえば」とか言ってくれたけど、
あたしは何も言えなかった。

あの日、仲良しのみんなで記念の写真を撮った。
無理やりな笑顔とピースサインをつくるあたしの斜め後ろで、
彼は笑っていた、はずだけど、
あの写真はどうなってしまったのだろう。
見ることさえなかったその写真の
まだ15歳だったあなたとあたしの笑顔が、
あたしにとっては
特別な、卒業式の思い出、なのです。



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はじめてひとを好きになったときの2月14日。
あたしと彼は、隣同士の席でした。
いつも、ふたりできゃあきゃあ騒いでいるのに、
あたしはなぜか話しかけられなくて、
彼も何も言わなくて、
だけど、休み時間になっても席をたつことができなくて、
ただ黙ってふたり座っていたのを、覚えています。

次の日。
あたしは学校にチョコレートを持っていきました。
箱の中にたくさんのブランデー・ボンボン。
あたしは、周りの席の子たちに配りました。
男の子にも、女の子にも、笑いながら。
「もらいものなんだ~」
最後の最後に、彼にも渡しました。
冗談っぽく、でも人生最大の勇気を秘めて。
「ありがとう」
彼は、ちっぽけな勇気のかけらを受け取ってポケットにしまい、
そのあと、それを取り出して眺め、
それからどういうわけか、内ポケットにしまいなおしました。
そんなとこに入れたら、チョコレート溶けちゃうよ。
その言葉を、あたしはどうしても口に出せませんでした。
彼の内ポケットにしまわれたチョコレート。
彼のいちばん近くで、温められている、小さなかけら。
あたしの小さな勇気。
もう、何にも、言えませんでした。

その次の日。
彼は、少し拗ねた声で、
「昨日、チョコレート溶けて、大変だった」
と話しかけてきました。
「当たり前だよ、内ポケットなんか入れたら」
あたしは、笑いました。
溶けてしまったチョコレート。内ポケットのチョコレート。
あたしたちは、ばかみたいに笑いました。
笑いが収まるたびにふざけあって、また笑いました。
笑いすぎて、その日は授業をまともに聴けないほどに笑いました。
「コイツ、チョコレート好きだからな」
彼の友達も笑いました。
彼は、ホワイトチョコが好きだと言いました。
あたしは笑いながら、もっと早くに言ってくれればいいのにって、
こっそり後悔しました。

その日の帰り道。
いつものように友達とお喋りしながら、
あたしはとてもいい情報を手に入れたことに気付きました。
そうか、ホワイトチョコが、好きなんだ。
友達と別れた後、駄菓子屋さんに飛び込んで、
おおよそ本気っぽくない、安物のホワイトチョコレートを買いました。
お洒落な外国製のボール紙に、冗談のようなおちゃめなメッセージ。
好きですなんて書けなくて。
そんなの今さら言えなくて。
だって、隣の席のおもしろい女の子って肩書きを失ってしまったら、
そのあとあたしはどうすればいいの?
気付いてくれなくていいのです。
だけど、だけどどうか、気がついてください。
こんなにきれいに結んだリボンに、気持ちを託して。

金曜日。
「ねぇ、かばん、貸して?」
どうしても、冗談ででも、手渡すことができなくて、
あたしは休み時間に、彼に言いました。
訝しがりながら彼がくれた、くしゃっとしたスポーツバッグに
あたしは似つかわしくないかわいい包みを雑にぽいっと放り込んで、
彼に返しました。
彼は、返された自分のバッグの中を覗き込んで、
「訳、わかんないことするヤツだな…」
その日の帰りに、彼の友達が、彼に、遊びに行こうと誘ったら、
彼は、今日は部屋を片付けるから、と言って
珍しく、そそくさと帰っていったのを、覚えています。

それから、あのチョコレートは、どうなってしまったのでしょうか。
はっきりとしたことを何も言えないまま、聞けないまま、
やがて席かえで席が離れて、
そのうち卒業して、
月日が流れて、
あたしは、
今も、
こんなにちっぽけな思い出だけを
大切に大切に
内ポケットにしまいこんでいるのです。



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