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雨の日。
無意識に、いや意識的に。僕は横目でカナの荷物を盗み見る。
赤い傘。ちゃんと持ってきている。
そりゃそうだ、今日は朝から雨だった。
だけど、帰りがけ、カナはいつものように後ろ手に手を組んで、小首をかしげて、鼻の上にちょっとしわを寄せたいたずらっぽい笑顔で僕を覗き込んで、僕にだけ聞こえるような声で言った。
新しい傘のさし心地、試したいな。

毎日が雨でもいい。
僕はそう思った。
初めて一緒に帰ったあの日よりも、僕らの距離は近づいている。
時々、僕の右腕はカナの左腕にぶつかり、うれしいような、恥ずかしいような、申し訳ないような、晴れがましいような、ぐちゃぐちゃな気持ちになったけど、結局はうれしさが勝っていた。
傘からはみ出ている僕の左肩も、カナの右肩もめちゃめちゃ濡れたけど、それさえもふたりには笑いごとだった。
「すっげー、さし心地悪い傘」
「ひっどーい。そんなこと言うなら返してよ」
ふざけては、笑い合った。
笑うたびに、僕の右腕はカナの左腕にあたった。
このまんま雨が降り続けて、このまんま道が続けばいいと、思った。
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大切な人。  恋愛
















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